2009年02月05日

カザルスホールとお茶の水スクエア

御茶ノ水にある「カザルスホール」が、2010年3月で使用停止される、と報道されています。室内楽専用ホールとして確固たる地位を築いていたこのホールを閉鎖するとは…、というクラシックファンの声が多数聞かれます。このホールは1987年に主婦の友社が作りましたが、経営難から2002年に日本大学に売却され、今回の発表は日本大学によるもの。
 
カザルスホールを含む「お茶の水スクエア」は、建築好きの方ならご存知の通り、磯崎新の設計によるもの。もともとこの敷地には、ヴォリーズ設計の「主婦の友社」(1925年)があり、これを保存修復するはずだったのですが、状態が悪く難しかったため、原設計図を元に復元。この復元部分を含むトータルデザインは、古今東西のあらゆる建築に精通する、ポストモダンを代表する建築家である磯崎さんらしいものだと思います。
 
今回の発表からは明確には分からないのですが、カザルスホールの閉鎖は、新しい大学のマスタープランの実行に伴うものであり、おそらく建築そのものが取り壊されることになるのではないか、と思われます…。もしそうだとしたら、文化の担い手を育てるはずの教育機関が取るべき行動だとは思えません。
確かに、まだ築20年そこそこの建築で、修復ではなく復元されたものです。保存という観点では見られないかもしれません。ですが、そこには長い歴史と記憶の積み重ねがあるのです。それを大切に慈しむことこそが、文化なのではないでしょうか。
 
「室内楽の殿堂」カザルスホール、10年3月に閉館へ


磯崎新《お茶の水スクエア》

posted by kuharc at 16:32 | Comment(0) | TrackBack(0) | 建築
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