2009年09月01日

PREFAB SPROUT The Gunman and Other Stories

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Prefab Sproutといえば、僕たちの世代には少々懐かしい青春の響きがするところですが、まさかまさかの彼らの新作がもうすぐリリースされるらしいのです。もう半ば諦めていたところでしたから、本当に楽しみ。
彼らが人気を誇ったのは、1980年代半ばから90年代初めくらい、傑作を次々と世に送り出しました。美しいメロディーライン、非常に凝ったディテールを持つ瑞々しいサウンドが特徴のバンドで、同時代の中で一つ飛びぬけた存在でした。

その後、しばし活動停止して、98年に"Andromeda Heights"、そして2001年に"The Gunman and Other Stories"をリリースしました。この2枚のアルバムは、初期に比べると、ぐっと成熟した落ち着きを持つ大人のサウンド。
そして、最新作ではどんなサウンドを聴かせてくれるのでしょうか。

さて、今回紹介するのは"The Gunman and Other Stories"です。
これは、普段からとても良く聴いている1枚。とにかく、メロディラインが優しく美しいのです。サウンドは、極めて精巧に作られているのですが、聴いているぶんには、そんなことは何も感じないくらいにナチュラル。柔らかな秋の日差しの中で、のんびりと遊んでいるような気分になり、リラックスできます。ありがちな表現ですが、大人のための上質なポップミュージック、というのがしっくりくるアルバムです。

しかし、言うまでもないことですが、巷に溢れている凡庸な音楽とは、完全に違う次元にあります。もともと、サウンドを微妙に捻じる傾向があったバンドですが、それが大人になるにつれて、だんだん素直に真っ直ぐなってきたというような感じがあって、ストレンジなフィルターを通過しているのだけれど、表現はシンプルでストレート、というその絶妙なバランスのサウンドが、いつまでも耳を飽きさせないのだと思います。

The Gunman and Other Stories
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2009年06月29日

MICHAEL JACKSON Off the Wall

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先週末、マイケルジャクソンが亡くなるという衝撃的なニュースが、世界を駆け巡りました。
熱狂的な信奉者ではなくても、マイケルが天才的な表現者だったことは認めざるを得ないでしょう。そのくらいに巨大な才能でした。"Thriller"の驚異的なヒットと共に存在が神格化してしまい、歌い手としての才能を十分に発揮できなくなってしまったことが惜しまれます。ここ最近のマイケル復活の報を聞くにつれ、いよいよアルバム製作に取り掛かるのでは、という期待を持っていた人も多かったのではないでしょうか。かく言う僕もその一人、とても残念という言葉では足りません。

"Off the Wall"は、僕が推薦するまでもない名盤中の名盤なのですが・・・マイケルの、素晴らしくスムースにして自由自在な、比類なきヴォーカリストとしてのポテンシャルを堪能できるアルバムとして、最近も良く聴いていた一枚です。

オフ・ザ・ウォール
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2009年06月09日

CAETANO VELOSO Livro

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久しぶりの音楽記事です。(…というより、久しぶりのマジメな更新!?)

僕が音楽好きだと言うと、必ずどんな音楽が好きですか、と聞かれます。でも、実はそれってちょっと答えづらい質問。だって、一言ではとても言い表せませんから。そこで、そんなときは「最近はブラジル音楽なんかが好きですね」と答えることにしています。
先日も、愛産大の学生さんとの会話でそんな話になり、そう答えたら思わぬ反撃(!?)を受けました。「でもブログでは、あんまりブラジル音楽って紹介されてませんよね?」
むむっ、確かに。旧ブログでは、マリーザ・モンチについて書いたこともありましたが、現在のブログに移行してからは、2枚くらい。そこで、今回はとっておきの一枚を紹介します。

カエターノ・ヴェローゾは、MPB(Música Popular Brasileira、簡単に言うとブラジルのポップミュージック)を代表するミュージシャン。天才と評されている人ですが、中でも僕が最高の一枚だと思うのが"livro"です。どこがすごいって、極めて良質なポップミュージックでありながら、同時に極めて前衛的な音楽的アプローチが取られているところ。

何にも考えずにボーッと聴けば、心地良い音楽だね、という印象。でもちょっと集中して聴いてみると、音もリズムも曲構成もとても斬新で、細部まで精緻なデザインが施されています。特にリズムの作り込みは尋常ではありません。何でこんなにも尖がった音づくりなのに、こんなにもポップなのか不思議なくらい。
MPBは、ミクスチャが特徴だと良く言われます。ボサノヴァをベースに、サンバ、ブラジルの様々なローカルミュージック、ロック、ジャズ、ラテン音楽などの要素が織り込まれているのですが、カエターノの場合、それを全部混ぜ合わせてしまうのではなく、レイヤー状に配置するようにミクスチャするようなところがあって、そこが独特の感覚を生んでいるような気がします。
Livro
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2009年03月25日

矢野顕子 Super Folk Song

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日本のミュージシャンで最も才能ある人は誰?と問われたら、僕は迷いなく矢野顕子の名前を挙げるでしょう。
繊細にして大胆なサウンドワーク(アバンギャルドでありながらポップ)、そこから伝わってくる揺るぎない世界観は、唯一無二のもの。加えて、単純にパフォーマーとして考えても超一級。特に、ピアニストとしての惚れ惚れするような腕前は、ジャンルを超えて傑出した存在と言えるのではないでしょうか。

そんな彼女の魅力が、最もダイレクトに伝わってくるのがピアノの弾き語りだ、と個人的には思うのですが、このアルバムもそんな一枚。オリジナルとカバーが半々くらいずつ収録されているのですが、このカバーがとても素晴らしい。原曲に最大限の敬意を表し、慈しみ、その美しさを損なうことなく、それでいながら発せられる音は、完全に矢野ワールドとして表現されているのです。良い楽曲をカバーするというのはとても難しいことなのですが、彼女の手に掛かれば、いとも簡単なように見えます。もちろん、オリジナルも佳曲揃い。

僕はこのアルバムが発売されて以来(1992年発売らしい)、もう数限りなく聴き続けているわけですが、その時々の気分、環境や状況に応じて、感じる部分が違ってくるのがすごいところ。いつも同じ姿でいるわけではなく、聴く人の心に合せて多面的な姿を見せてくれるのです。聴くたびに、常に新たな魅力に気付かされつつ、元気をもらったり、癒されたり。これこそ本当の「うた」なのかな、などと思ったりします。

SUPER FOLK SONG
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2009年03月24日

PAT METHENY GROUP The Way UP

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パット・メセニーは、いつでも独自の音楽風景を展開できる、優れたアーティストだと思います。
グループでもトリオでもソロでも、エレクトリックでもアコースティックでも、ジャズでも現代音楽でも、聴く人の心に「パット節」みたいなものを刻み付けることができるのです。非常に多様な活動の中で、とても柔軟な取組みができる能力を持ちながら、オリジナルな音を放ち続けることができるのは、素晴らしいことです。
そんな彼の原点となっているのが、Pat Metheny Groupでの活動と言えるでしょう。このアルバムは現在のところの最新版…と言っても発売は2005年なんですね。そんなに経った気がしませんが。僕にとっては、そのくらい聴き応えのある、ある意味スルメのようなアルバムです(^^)

このアルバムは、オープニング+3部構成の組曲という「意欲作」なのですが、組曲という言葉から連想されるような全体を貫く構成(いわゆるシンフォニー的な)が、まるでないのが最大の特徴。つまり、ドラマティックなコンセプトのもとに物語が紡がれているのではなく、取りとめのないロードムービーのように情景が延々と流れていくような感じなのです。
それぞれの部分は、いかにも彼ららしい叙情的な音世界が繰り広げられています。ですが、特に一つの曲にまとめる強い動機は感じられず、当初はどうしてなんだろうと訝しく思っていました。ところが、聴いているうちに意外とハマってきたのです。

僕たちは、様々な音楽に触れるとき、知らず知らずのうちに、西洋的な構成を求めてしまう傾向があると思います。(そうでない場合も、構成がないのではなく、構成が解体されたものを求めているでしょう。)しかし、世界には、こうした文脈とは全く違う成り立ちを持っている音楽が沢山あります。学生の頃、そうした世界中の音楽を夢中になって聴き漁った時に感じたものを、少し思い起こしました。
このアルバムには、西洋的な意味での構成はなく、何か違う意図に基づいた成り立ちがあるのです、きっと。それが何か、ということは僕には正確には分からないけれど、どこまでも続く散文のような音を聴きながら、風景が広がっていくのを感じることはできます。その意味をあえて問わず、ただ身を委ねていると、いろいろな場所に連れて行ってくれるような、そんな音楽なのです。

The Way Up
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2009年03月23日

SANDRINE PIAU,JOS VAN IMMERSEEL DEBUSSY:Melodies

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クラシックの歌曲というのは、僕にとっては少々特殊なジャンルです。なぜなら、歌唱法が独特だから。ポピュラーミュージックを普通に聴いて育ってきた僕にとっては、正直ちょっと取っ付きにくい印象があります。嫌いではないのだけれど、ちょっと襟を正して聴かないといけないぞ、みたいな感じがあって、いわゆる「歌」を聴くというのとは違うのです。
しかし、このアルバムはそんな感覚を楽に吹き飛ばしてくれるくらいに、素直に美しい「歌」でした。

ドビュッシーの音楽は、クラシックの中でもとりわけ映像喚起力が強いように感じるのですが、この歌曲集はその特質を極めて美しい色彩感で見事に描き出していると思います。とても不思議なのですが、ハイビジョンを見ているかのようなクリアで彩度の高い色でありながら、同時に柔らかくて包み込むような、少し懐かしさを感じるような優しい色合いでもあります。優れて現代的な表現でありながら、ドビュッシー独特の時代感も同時に併せ持っているという感じ。

ドビュッシーの歌曲はメロディーが美しく、それほど複雑な構成ではないので、僕のようなクラシック初心者には、わりと気軽に聴けるというところも大きいのかもしれません。ピオーの聡明な歌声と、インマーゼルが奏でるERARDのピアノ(1897年製)の穏やかな響きが、耳からすうっと身体の中に沁み込んでいくうちに、いつしか夢見心地になって、肩から余計な力が抜けていくようです。

ドビュッシー;歌曲集 [Import from France] (Debussy: Melodies)
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2009年01月20日

HELMUT WALCHA J.S.Bach Organ Works

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クラシックの少々古い名盤というのは、おそろしく安い。セット物だと、一枚あたりの単価がちょっとしたお菓子くらいの価格で買えてしまったりします。こんな価格で本当に大丈夫なんだろうか、と心配になってしまいますが…僕のようなコアではないクラシック聴きには、自分の世界を広げるためにとても有効で、大変ありがたいことです。
 
ある日、ふとオルガンの音が聴きたくなって、と言っても全くその辺に疎い僕は、やっぱりバッハかな、などと思いながら何気なくネットで物色。そこで、この超お値打ちなボックスセットに出会ったわけです。10枚組のボリュームを本当に聴けるのかな、という不安はあったものの、第一人者のオルガンが思う存分楽しめる。こんなチャンスは逃せないということで、早速購入しました。
 
もう60年くらい前のモノラル録音(二度行なったうちの最初の全集録音)なのですが、僕のように事務所で聴く分には何ら差し支えないクオリティ。整然と、かつ滔々と流れるバッハのオルガン。ヴァルヒャは静のオルガニストなのだそうです。納得。
ですが、何でもないBGMではないのです。段々とオルガンの音が身体を包み込んできて、やがて浸食されてしまうような、何ともいえない感覚。うーん、さすがバッハ。不思議と心が落ち着いてきて、集中してじっくりとデザインに取り組むことができます。

もっとも、事務所の人は始終これを聴かされていたらたまらないでしょう。だから、一人のときやここぞというときに登場してもらうことにしています。

 
Bach J.S.: Organ Works [Germany]
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2009年01月10日

MILTON NASCIMENTO Clube da Esquina

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少々遅くなりましたが、今年初の更新です。
今年もよろしくお願いします。
最近ハマっているミルトン・ナシメントのアルバムを紹介します。
彼はブラジルを代表するアーティストの一人。
このアルバムは、派手なところがなくまったりした感じで、とても心地良い音楽。じっくりと何かに取り組みたいときに、落ち着けて最適です。ちゃんと聴くと、音の奥行がとても深かったりするんですけどね。あんまりそういうことを意識しなくてもいい感じなところが、また良いところ。
 
Clube da Esquina
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2008年12月27日

MORELENBAUM2/SAKAMOTO CASA

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建築の素晴らしい瞬間を体験するとき、空間の「粒子」をひしひしと感じることがあります。その「粒子」には大きさから肌触りまで色々とあるのですが、日常的な空間の茫洋とした感覚とは全く異質の、凛とした心地よさに満ちています。
例えば、森を歩いているときの目の覚めるような気持ち良さ、みたいな感じと言えば、少し分かっていただけるでしょうか。
このアルバムを聴いて感じるのは、そんな空間の「粒子」。 


このアルバムは、ブラジル音楽の巨人アントニオ・カルロス・ジョビンの楽曲を、故ジョビンの自宅のスタジオでレコーディングしたものです。
そういうことを知っているから、そう感じるんじゃないの、と言われそうですね…。確かにそういう面もあるでしょうが、しかしながら、このチームが作った他のアルバムにはない独特の空気感が、このアルバムには漂っているように思います。
建築の素晴らしい瞬間に出会うことが奇跡的な巡り合わせであるように、このアルバムにも特別な時間が閉じ込められているのではないでしょうか。


もちろん音楽のクオリティとしても、大変素晴らしいものです。いわゆるボサノバよりは室内楽的なアプローチがなされていて、ジョビンの音楽世界の奥深さにあらためて気付かされます。…と、そんなに難しいことを言わなくても、とにかく気持ちが良いのです。目を閉じて音を聴いていると、自分のまわりが、澄み切って爽やかな空間の「粒子」に満たされていく…そんな感覚を味わえる、素晴らしい一枚です。
 
CASA

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2008年10月06日

フェイ・ウォン 天空

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とても美しい歌。
世界には類まれなる才能というのがあって、歌い手としてのフェイ・ウォンは間違いなくその才能の一つ。
声がキレイな人はもっといるし、技法が優れている人も沢山いるでしょう。しかし、彼女のように独自の世界観を表現できる歌い手は、そうはいません。
彼女の作品では、くるくると、きらきらと、表情を変えながら、伸びやかに自由に歌が紡がれていくさまが、素直に表現されます。中でもこのアルバムは、特にそういう指向が強いように感じます。
とても現代的でありながらノスタルジックでもあり。強い芯があるのだけれど、たおやかで優しさに満ちていて。非常に緻密でありながら、自由奔放でもあり。限りなく耽美的であり、かつとてもクールで。
それをあえて一言でいうならば「美しい」。
 
天空

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2008年10月01日

JUTTA HIPP at the Hickory House

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とても心地よいジャズトリオ。クールな演奏なのだけれど、どこか可愛らしくて温かな感じがあって、仕事をしながらよく聴くアルバムです。 
このアルバムは2枚組。アナログ盤を友人にもらったのが最初で、CDも購入して聴き続けて、かれこれ20年くらいになるでしょうか。ユタ・ヒップは、ドイツ人の女性ピアニスト。それほどメジャーというわけではないらしく、わりと玄人好みのアーティストみたいです。
…が、僕がそうしているように、難しいことを考えずとも素直に楽しめるアルバムなので、おすすめ。
 
ヒッコリー・ハウスのユタ・ヒップ Vol.1
ヒッコリー・ハウスのユタ・ヒップ Vol.2

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2008年09月12日

ZIMERMAN,BOSTON SO,OZAWA Rachmaninov:Piano Concertos Nos.1 and 2

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曲の持つイメージを、細部に至るまで根本から問い直して、再構成したようなピアノの音が印象的な一枚です。
ともすれば叙情的に流れがちなラフマニノフのピアノ協奏曲ですが、明晰な音の粒立ち感が全編を貫いていて、その徹底ぶりにはある種の客観性すら感じるほど。しかしながら、情熱は決して失われておらず、むしろやり過ぎ感があるくらいにドラマティックな演奏とも言えます。
オーケストラの的確かつ過不足感のないサポートにより、いびつなのだけれどもバランスが取れている、という感覚に仕上がっていて、優れて現代的な表現だと感じます。

ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第1番&第2番
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2008年05月22日

GAVIN BRYARS Hommages

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ギャビン・ブライヤーズは有名なイギリスの現代音楽家。ミニマル・ミュージックとしては聴きやすいと言われていますが、この種の音楽を聴かない人たちにとっては縁遠いものかもしれません。…が、この作品はちょっと違います。
1981年に発表された"Hommage"は、作曲家へのオマージュとして4曲が収録されていますが、どれも良質の映画音楽のような味わい。ブライヤーズらしい音響処理は施されているようですが、他の作品にようにコンセプチュアルではなく、感覚的に理解できる音楽です。

特に1曲目の"My First Hommage"は、ピアノが流麗なメロディを滔々と奏でて、耽美的な世界が展開していき、ただ音に身を任せているだけで、気持ち良くなれてしまいます。
ライナーノーツによると、この曲はビル・エバンス(超有名なジャズ・ピアニストです)に捧げられています。特に、奇跡のピアノ・トリオと誉れ高い、スコット・ラファロとポール・モーシャンとのトリオ(1959-61)へのオマージュなのだそうで、名演"My Foolish Heart"と同じイニシャル(MFH)になるように、この曲名を決めたのだとか。
僕もこのトリオの作品は大好きです。だからといって、この曲がビル・エバンス・トリオを想起させるのかというと、実はそんな感じもあまりしないんですが…優しい美しさという点では相通ずるところがあるような気がします。(もっと音楽的なつながりがあるんでしょうか、詳しい人がいたら教えてください!)

以上のような内容は、僕も最近知ったことなので偉そうなことは言えないのですが、(基本的にはライナーを読まないので、ずいぶん前に買ったCDで良く聴いていたのに何も知らなかったのです…)、そんな知識はなくとも十分に楽しめると思います。ずいぶん前に廃盤になり、入手が難しかったのですが、どうも最近、リマスタリングで再発されたみたいです。興味のある人は、一度聴いてみてください。おすすめです。
 
Gavin Bryars: Hommages
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2008年04月30日

RICKIE LEE JONES Pop Pop

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良質の音楽は、聴けば聴くほど味わいが増してくる。また、聴くときのシチュエーションや気分によって、新たな魅力に気付かされたりする。
そんなアルバムの1枚がこの"Pop Pop”だ。リッキー・リー・ジョーンズのアルバムはどれも素晴らしい作品ばかりだけれど、この作品は彼女が好きな楽曲を歌ったカバー・アルバム。ジャズ編成でとても精妙にアレンジされたサウンド、大切に包み込むように歌う彼女のヴォーカル、まさにプロの業の極みだ。…が、そんなことを意識する必要は全然なくて、なんとなくぼんやりと聴いていれば心がほっこりするような感じがして、身体に段々沁みわたってくる。
全体がディテールを決め、ディテールが全体を決める。これは僕が目指す建築のあり方なのですが、それを音楽的に実現しているのがこのアルバムだと言えます。素晴らしい。
 
Pop Pop

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2008年04月14日

PSAPP Tiger,My Friend

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ロンドンを拠点に活動するエレクトロニカ・ポップ・デュオPSAPPの2004年のアルバム。
エレクトロニカというと人工的な音をイメージするかもしれませんが、この人たちは生音もうまく使って、とても優しい感じ。音数が少なくて、そこにできる「間」にニュアンスが表現されているのが秀逸です。古い例えですがSlap Happyみたいな…と言ってもあまり知らないでしょうね(^^ゞ
あるいはStereolabのような、とも評されているみたいですが、そこはかとなく哀愁の漂うメロディーラインや音作りに通じるものはあるかも…ってこれも知らない人が多いかな。
そうそう、東京近郊にお住まいの方なら、J-WaveのJam the World(20時〜)という番組タイトル(冒頭)でバックに流れているのが、このアルバムに収録されているCurunculaという曲なんですよ。
 
とても明晰でもの静かなのだけれど、醒めているわけではなく、慈しむように大切に作られたあたたかな音楽。とても素晴らしいです。

Tiger, My Friend

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2008年04月03日

斎藤明子 スペイン

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移転前のブログでもちょこちょことアップしていたので、ここでも音楽について書いていこうと思う。音楽は僕にとって最も好きなもの。建築と音楽のどちらかを選びなさい、て言われたら困っちゃうな、というくらい。
これまでいろいろとつまみ食いをしてきた感じなので、マニアックな知識などは全くないけれど、逆に言えばジャンルに関係なく音楽を選ぶことができるようになってきた、とも言えるかも。このくらいの歳になれば、皆そんな感じなんでしょうけどね。
 
僕はギターの音が好きだ。ロック少年だったころからギター好きだったためか、何を聴いていてもついついギターの音を耳で追ってしまうところがある。そして、自然な流れで…もないけれど、クラシック・ギターも聴くようになった。
クラシック・ギターといえばスペイン、情熱、哀愁、禁じられた遊び…みたいな印象があるかもしれないけれど(最近はそんなこともない!?)、斎藤明子さんが弾くこのスペイン楽曲集はそんな感じではない。(と言っても禁じられた遊びは収録されてます。)
むろん、スペイン音楽の特質は良く捉えられているのだが、それが前面に溢れ出すのではなく、非常に明晰な感性で再発見されているとでも言うのだろうか。音楽の美しさが丁寧に表現されていて、そこから様々な感情が沁みわたってくるような感じ。じっくり聴くも良し、仕事のBGMにも良し、いつもそばに置いておきたい音楽なのである。
斎藤さんは、最近はアルバムを製作されていないようでとても残念ですが、他のアルバムもとても良いのでお奨めです。

スペイン 禁じられた遊び・アルハンブラの想い出

1. スペイン舞曲第5番(グラナドス)
2. 同第2番(グラナドス)
3. 同第10番(グラナドス)
4. 14のカタロニア民謡(リョベート)
5. スペイン風セレナータ(マラッツ)
6. 朱色の塔(アルベニス)
7. パヴァーナ・カプリチオ(アルベニス)
8. 禁じられた遊び
9. 朝の歌(タルレガ)
10. アラールの華麗なる練習曲(タルレガ)
11. アルハンブラの想い出(タルレガ)
12. 涙(タルレガ)

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